TeXShop が提供するデフォルトの環境設定のいくつかは変更したほうがよいでしょう。こうした変更の中には、個々のモニタの特質に依存していて、実際に使ってみるまでは設定しかねるものもあります。
デフォルトでは、ソースウインドウとプレビューウインドウは、最後に閉じたときの位置で開かれます。1度に1つの文書しか扱わないときは、これでもいいでしょう。しかし通常は、前もって決めておいた最適な位置でソースウインドウとプレビューウインドウを開くのがいいでしょう。位置決めのために、簡単な文書をタイプセットします。そしてソースウインドウとプレビューウインドウの位置とサイズを調節してください。使っているモニタが十分に大きければ、横に並べて配置するのが最良です。TeXShop の環境設定を開きます。「書類」タブで「いつも同じ位置で開く」を選び、「現在の位置に設定」をクリックしてください。「プレビュー」タブでも同じ変更を行ないます。
プレビューウインドウの倍率を設定するのにもいい機会です。プレビューウインドウの上部にあるスケール・ボタンで最適な倍率を選んでください。そして環境設定の「プレビュー」タブで倍率を入力して「設定」ボタンを押します──そのうえで「OK」ボタンを押してください。
最後に、セキュリティ問題に触れるべきかもしれません。デフォルトで TeXShop は、タイプセット時に他のプログラムを呼び出すことを pdftex と pdflatex に許可しています。処理できない形式のグラフィック・イラストがあると pdftex は、自動的に変換プログラムを呼び出して利用可能な形式の画像ファイルに変換します。たとえば、eps ファイルは pdf に変換され、tif ファイルは png ファイルに変換されます。
しかしながらこの設定では pdftex に、いかなるプログラムを呼び出すことをも許可してしまいます。あるユーザがあなたに TeX のソースファイルをメールで送ってきて、タイプセット中にそれが、あなたのシステムに対してよからぬことをしでかす──というのも、ありうることではあります。これが心配な場合には、環境設定の「内部設定」タブで「Shell Escape を警告」と書いてあるボックスにチェックを入れてください。このチェックが入っていると、あるファイルを TeXShop で初めてタイプセットするときに、そのファイルに対してこの機能をオフにできるダイアログボックスが表示されます──そのため pdftex は、タイプセット時に他のプログラムを呼び出せなくなります。したがってあなた自身のファイルについては自動変換が使えますが、他人からのソースファイルに対しては安全を講じることができます。